- ガス給湯器の調子が悪い
- ガス給湯器の不具合の対処法を知りたい
日々の生活に欠かせないお湯を作るガス給湯器。
給湯器のトラブルや故障は、突然起きます。
慌てて業者に連絡しようと考えるその前に、自身でも出来ることが多くあります。
故障の原因や対処法を知っておくことで、もしものトラブルが起きても心配ありません。
ガス給湯器のトラブルと対処法を、ガス会社社員の僕さなぎが解説します。
症状別の対処法

一言で、ガス給湯器の不具合と言っても種類が様々で対処法も異なります。
症状別に原因や対処法をまとめます。
お湯が出ない
お湯が出ない症状は、主に2つのパターンに分けられます。
1つは水も出ない場合で、その場合は、水がそもそも給湯器の中に供給出来ていないことが考えられます。
水のバルブが閉まっていないかなど確認しましょう。
2つめは、水は出るけれどもお湯にならないパターンです。
こちらの原因は、ガスの供給または電気の供給が出来ていないこと、蛇口の故障などが考えられます。
ガスのバルブが開いていることを確認する、コンセントがささっているかを確認することで改善できます。

電気が通っているかは、ドライヤーを挿してスイッチを入れてみることで確認できます。
お湯が出ない場合の原因と対処法についてはこちらで解説しています。
シャワーの温度がぬるい
シャワーの温度がぬるい原因は、このようなものです。
①温度設定を間違えている
②使用量に給湯器の性能が追いついていない
③逆流して水が混ざっている
①の温度設定はリモコンを確認することで解消されます。
リモコンの温度が低い設定になっている事が意外とあります。
風呂リモコンとキッチンのリモコンの温度が異なる場合には、優先がどちらに付いているかで温度が異なる場合があります。
例えば風呂リモコン40℃ キッチンリモコン37℃の場合、風呂に優先があれば40℃、キッチンに優先があれば37℃とバラつくことになります。
②は特に寒い時期に顕著に症状が現れます。
給湯器の能力は、1分間に水温プラス25℃のお湯をどれだけ作ることが出来るかどうかのことを指します。
蛇口を同時に使えば使うほど、使うお湯の量が増えるため能力が足りずぬるくなっていまいます。



標準的な20号の給湯器、で蛇口2つまで使用できます。
シャワーを使っている間はキッチン、洗面所でお湯を使わないようにすると改善します。
③の水が逆流している場合は、1度全ての蛇口を閉めた後、1つづつ開いていきぬるくなるかを確認します。
蛇口を開けて、ぬるくなったところが原因なのでどこの蛇口が原因か分かります。



洗濯機の専用の蛇口の所に、お湯のバルブがあれば、結構な確率で怪しいです。
ふろ自動のお湯が少ない/お湯はり中に途中で止まる
ふろ自動でためた場合にお湯が少ない原因は、ほとんどの場合、循環金具のフィルターの汚れです。


循環金具のを外してフィルターを歯ブラシ等で掃除することで改善されます。
その他には。湯量の設定を間違えていること、排水栓がきちんと閉まっていないことによる漏れなどが考えられます。


湯量の設定を確認すること、排水栓を確認することで改善します。
ふろ自動の設定よりお湯が少ない場合の原因と対処法についてはこちらで解説しています。
お湯が途中で水になる
途中で水になる場合の原因はいくつか考えられます。
- リモコンの電源が入っていない
- ガスが止まっている
- サンドイッチ現象によるもの
- 給湯器の故障
何らかの原因で、リモコンの電源が切れた場合は、途中で水になります。



よくあるのが、家族の誰かがリモコンを切ってしまうことです。
その他、ガスの供給がストップしてしまうことも原因になりえます。
ガスコンロ・給湯器・ファンヒーターなどガス器具を長い間つけたままにしていると、ガスメーターの安全装置でガスが止まることがあります。
ガスメーターを復帰することで使えるようになります。
ガスメーターの復帰方法についてはこちらで解説しています。
お湯が途中で水になる原因と対処法についてはこちらで解説しています。
サンドイッチ現象が起きている
故障ではありませんが、冷水サンドイッチ現象が原因で途中で水になっているかも知れません。
冷水サンドイッチ現象とは、お湯を出した時に、熱くなったり、冷たくなったりしてしまうことで、温度が安定しない現象のこと。



お湯→水→お湯となる現象。
サンドイッチ現象の対処法は、Q機能と呼ばれる、サンドイッチ現象が起きにくい機能の付いた給湯器を選ぶことです。
サンドイッチ現象が起きにくいように水温の温度差を減したりする機能です。
水量が弱い
水量が弱い場合は、途中で水になる訳ではありませんがそもそもお湯になりません。
ガス給湯器がお湯になるには一定量の水量が必要となります。お湯の量を絞っていたり、蛇口の開きが少ない場合はお湯にならないことがあります。
水量調節の弁を開く、蛇口を一定以上開くことなどが対処法です。
給湯器の故障によるもの
この場合は、ガス会社・メーカーにメンテナンスを依頼する必要があります。
エラーコード「888」
給湯器の使用が一定時間を超えると、リモコンに888というエラーが出ます。
お湯の使用には問題ありませんが、解除しない限りエラーコードは表示されたままになります。
メーカーごとに解除の方法は異なります。
リンナイ・パロマ・パーパスの解除方法をまとめた記事はこちらです。
ノーリツの解除方法はメーカーに問い合わせする必要があります。
リモコンの温度設定ができない
リモコンの温度設定が出来ない場合の原因はこのどちらかです。
チャイルドロック
リモコンのチャイルドロックを設定してしまっている。
ガス給湯器のリモコンには小さいお子様がいたずら出来ないようにチャイルドロックの設定があります。



メーカーごとにやり方は異なりますが、何かのボタン長押しが多いのではないでしょうか?
パロマの例を解説しておきます。


メニューボタンを押しながら、給湯温度の下ボタンを押すことでチャイルドロックがかかります。
解除も同じく、メニューボタンを押しながら、給湯温度の下ボタンを押すだけです。
風呂/キッチンのリモコンが優先になっていない
一般家庭の給湯器のリモコンは通常、風呂用とキッチン用の2つを使います。
風呂であればキッチン、キッチンであれば風呂の方が優先になっている場合、リモコンの温度調整がききません。


優先ボタンで、使いたいリモコンに優先を持ってくる必要があります。
リモコンの表示が勝手に消える
リモコンの表示が勝手に消えるのは、仕様であり、故障ではありません。
リモコンには省電力機能が搭載されており、一定時間(10分など)使用せず経過すると液晶が消える仕様です。
液晶が消えているだけなのでお湯を出すとすぐ液晶が付きます。
凍結してお湯が出ない
気温が0℃を下回る寒い日に、お湯の蛇口をひねっても水すら出ない場合は、配管が凍結しています。
凍結してしまった場合には、無理に溶かすことなく溶けるのを待つことが最善です。
どうしても溶かしたい場合には、水のバルブをドライヤーであたためること、水のバルブにぬるま湯をかけることが有効です。
熱湯をかけると、配管がはじけて破れてしまうので注意しましょう。



凍結しそうな寒い日には、あらかじめ対策をしておく必要があります。
対策については、こちらの記事で解説しています。
さいごに


上記の症状で対処法を試しても改善されない場合には、給湯器本体の故障が考えられます。
給湯器の寿命は約10年のため、交換も視野に検討すると良いでしょう。

