- ビルトインコンロを取り替えたい方
- 取り替えを自分でしたい方
- 取り替えに資格は必要なのか知りたい方
ビルトインコンロの取り替えは誰にでも可能なのでしょうか?
僕は、ガス会社に勤務する現役ガス会社社員です。
先日「ビルトインコンロを、自分で取り替えすることは出来ますか?」とたずねられることがありました。

技術的には可能だと思いますが…。取り替えには資格が必要です。
ビルトインコンロは、資格がない方の場合、最後まで自分で交換することはできません。
自分で取り替えできるテーブルコンロと違い、ビルトンコンロの取り替えには、ガス工事の資格が必要となります。
この記事では、ビルトインコンロは自分でDIYで取り替えできるのかと、交換にあたっての知識について解説します。
ビルトインコンロとは?


ガスコンロには、システムキッチンに取り付ける埋め込み型のビルトインコンロと、置き型のテーブルコンロがあります。
自分で取り替えできるテーブルコンロと、有資格者による工事が必要なビルトインコンロという違いもあります。


値段は、比較的安価なテーブルコンロに対し、ビルトインコンロは高価なものも多いです。
テーブルコンロが2万円~に対して、ビルトインコンロは5万円~となっています。



ビルトインコンロは、あらゆる面で高性能です。
ビルトインコンロは自分で交換できる?





出来ません。
ビルトインコンロの設置は、業者に依頼する場合、数千円~2万円ほどの工事費がかかります。
「もったいないので自分で交換したい」
「ガス管とガスコンロを接続するだけなので、誰でも取り替えできるのでは?」
と思えますが、資格なしで取り替えしてはいけません。
ビルトインコンロの取り替え(ガス栓の接続)には、資格が必要であり、無資格でも出来る作業は以下の2つの作業のみです。
- 古いコンロを取りはずす
- 新しいコンロ本体を設置
ガスコンロ本体の設置までは可能
ビルトインコンロの交換は、本体を設置する作業までは自分で可能です。
それから先の作業で、ガス栓、専用ホースの接続は、資格がなければ出来ません。
本体を埋め込み部分に取り付けすることまでは、資格がない方でも、誰でも出来ます。





ここまでの作業です。
ガス管の接続には資格が必要
上記の通り、本体の取り付けは誰でも可能です。ですが、ガス栓、専用ホースの接続は有資格者が取り付けしなければなりません。
そのため、工事すべてを依頼してしまう方が効率的です。
自分で本体を取りつけまで行い、ガス栓、専用ホースの接続のみの工事依頼でも、工事費はすべて依頼する場合と変わらないので、工事はすべて任せることをおすすめします。



苦労して本体の設置をしなくても、プロが、丁寧に取り付けしてくれます。
交換を専門家に依頼するべき理由


ビルトインコンロを接続する際には、ガス配管とガス栓を接続する必要があります。
専門知識のない方が取り付けしてしまうことで、ガス漏れや事故の危険があります。



実際に、事故寸前の現場に駆け付けることもあります。
ガス接続する際には、専用のパッキンの入れ忘れだけでもガス漏れします。
非常に危険なため、ガス配管する場合には、ガス会社などのプロにまかせましょう。
ビルトインコンロをDIYで交換する手順(ガス管接続は不可)


ビルトインコンロをDIYで交換する手順は以下の通りです。
ただし、何度も言いますが、ガス接続には資格が必要なので、自分では出来ません。
- ガスの元栓を閉める
- ガスコックを閉める
- ガスホースを取り外す
- 既存のコンロを取り外す
- 新しいコンロを取り付ける←ここまで
- ガス接続を依頼する
①ガスの元栓を閉める


はじめに、ガスの元栓を閉めます。
元栓はガスメーター付近にあり、水平になっているバルブを垂直にするとガスの供給をストップすることができます。



黒いレバーを横にしてください。
②ガスコックを閉める


次にガスコックを閉めます。
ガスコックもガス栓と同じように水平になっているコックを垂直にします。
ガスの供給を止めて、ガスが出ないようにしておかないと、作業中にガスが漏れ、危険です。
③専用ガスホースを取り外す
ガスの供給が止まっていることを確認した後、専用ガスホースを取り外します。
接続されている、ナット部分を工具で逆ねじ方向(反時計回り)に回すことで取り外すことができます。
取り外し前には、ガスの供給がストップしていることを確認しましょう。



ガスコンロの火をつけて、つかなければOKです。
④既存のコンロを取り外す
ガスホースを外した後は、コンロ本体を取り外します。
ビルトインコンロの天板を取り外した後、左右4か所に固定用のねじがあるため、ゆるめることにより、取り外すことができます。
固定が外れた後は、そのまま上方向に引き抜くだけです。
⑤新しいコンロを取り付ける←ここまで
取り外しと同様に取り付けます。
- コンロを取り外した箇所に開いている穴に、新しいコンロをはめ込んでいきます。
取っ手をもって取り替えしていきます。取っ手以外の場所を持つと、部品が変形したり、破損してしまうことがあるため注意が必要です。 - 取り外し時にゆるめた部分の、固定用のねじを4か所を取り付けます。
あまり強く締めすぎると故障につながることもあり、注意が必要です。
⑥ガス接続を依頼する


ガスホースとガス栓の接続は、資格を持った業者に依頼します。
もし無資格での作業で接続がきちんとできていない場合、ガス漏れや火災の原因となる恐れがあります。
自分で出来る部分は、古いガスホースを外して、新しいコンロの設置までです。
業者が交換にくる作業日には、コンロ下や周辺をキレイに片付けておくと良いです。



業者側でも、取り外した後出来る限り掃除します。
ガスコンロの使用年数はどれくらい?





ガスコンロの交換時期ってどれくらいなの?
ガスコンロの交換時期は、置き型のテーブルコンロで5~7年、埋め込み型のビルトインコンロで約10年です。
ビルトインコンロの交換時期の約10年とは、10年経つと交換部品がなくなることが多いためです。
修理して使うか、新しく買い替えをするのか判断は、交換部品がなくなることを目安にするとわかりやすいかもしれません。
ガスコンロの寿命についてはこちらで解説しています。
交換できるコンロの種類


ビルトインコンロへの取り替えは、主にこの2種類のコンロからの取り替えになります。
- ビルトインコンロ→ビルトインコンロ
- テーブルコンロ→ビルトインコンロ
ビルトインコンロからの取り替え


既存のコンロが、ビルトインコンロであれば簡単に取り替えができます。
古いコンロを取り外して、そのまま同じように組み込み、ガス接続をするだけです。
同じタイプのコンロの取り替えのため、比較的スムーズに交換できます。
ただし、ビルトインコンロには60㎝幅のものと75㎝幅のものがあるため、注意が必要です。
今、使っているものと同じ幅のものを選ぶと良いと思います。
テーブルコンロ(キャビネットコンロ)からの取り替え


テーブルコンロ(据え置きタイプ)からビルトインコンロへの取り替えはコンロ台を変更する必要があります。
今使っているコンロ台を専用のキャビネットに変更することで取り換えが可能です。



コンロ周りの隙間がなくなるので、テーブルコンロからビルトインコンロへの変更を希望される方も多いです。
先日交換したお客様は、テーブルコンロの奥の掃除が嫌で、ビルトインコンロに変更されました。
「お掃除がラクで助かる」と喜んでいただけました。
ただし、既存のキッチンの状況によっては、取り替えにリフォーム工事が必要なケースもあります。



見栄えをよくするためには、リフォームでシステムキッチンにするしかありません。
さいごに


ビルトインコンロの取り替えは、コンロ本体を取り付けするところまでは自分でも可能です。
ガス管とガス栓のビルトインコンロとの接続は有資格者による工事が必要となります。



工事費が減額してもらえることもないので、自分で途中まで取り替えることの意味はありません。
自分で取り替えた部分の施工ミスで、故障等が発生した場合に、補償してもらえなくなることすらあります。
初めから、ガス会社や専門業者に依頼することが良いと思います。