- ガスコンロを長持ちさせたい
- コンロがふきこぼれる原因が知りたい
- ふきこぼれを防ぐ方法を知りたい
ガスコンロを長く使いたいと考えた時に、大事なこととはなんでしょうか?
僕はガス会社で働いて10年になる現役のガス会社社員です。
ガスコンロは使用方法によって、寿命を短くしてしまうことがあります。
逆に、あることに注意することにより、長く使用することができます。

ガスコンロを長く使用するためには、ふきこぼれに気をつけましょう。
ふきこぼれが起きた際に、塩分やみりん、脂肪分などがバーナーまわりを痛めます。
酸化することにより、ひどい場合には、穴が空いて使えない状態になってしまうこともあります。
そうならないためには、まず第一に、ふきこぼれをさせないこと。
次に、もしふきこぼれてしまった場合には、すぐ拭き取ること。
この点に注意していると、天板等が汚れてしまっても、買い替えが必要なほど劣化することはありません。
この記事では、ガスコンロを長持ちさせる方法と、そのためにふきこぼれさせない方法について解説しています。
ガスコンロが劣化する原因


前述の通り、ふきこぼれがガスコンロを劣化させます。
ふきこぼれてしまうと、完全に拭き上げることが困難になります。
まずは、調理中にふきこぼれないように注意する必要があります。
ふきこぼれによってがコンロが損傷してしまうとこのようになります。






劣化を防ぐために、まずはふきこぼれをしないように心がけてください。
ふきこぼれてしまった場合には、すぐに清掃する必要がありますが、自分でコンロ内部を分解することはやめてください。
ガスコンロには、ガスを通すための銅管が通っています。



自分で分解してしまうと、配管が外れたり、損傷してしまうことがあるため、分解する場合には、専門家に依頼しましょう。
ふきこぼれの原因


麺料理や、鍋料理の調理中に、ふきこぼれた経験はありませんか?
これは、食材にデンプンや脂質が含まれているために起こる現象です。
麺類などに含まれるデンプンや牛乳に含まれる脂肪分が食材から溶けだします。さらに、加熱されることにより沸騰し、膜を作ります。
この膜には粘り気があり、表面張力により泡が積み重ねられることによって、下から上に泡が押し上がる力でふきこぼれが起きます。



特に、麺類はよく吹きこぼれますね。
ふきこぼれしない方法


ふきこぼれを防ぐための方法は、以下のようなものになります。
どれも簡単な方法なので、すぐに試してみることができます。
- 菜箸を乗せる
- 油を入れる
- ふきこぼれ防止器を使う
- 火力の調整をする
- オート調理がついているコンロを使う
菜箸を乗せる


ふきこぼれを防止するために菜箸を鍋に載せることが有効です。
やり方はとても簡単で鍋の中心部に交差させて菜箸を乗せておくだけです。
吹きこぼれそうになると菜箸に泡が当たって消えていき、ふきこぼれを防止してくれます。



箸をクロスして乗せることがポイントです。
油を入れる


油を大さじ1杯程度入れておくことでも、ふきこぼれの防止をすることが出来ます。
泡の表面に膜が出来にくくなるため、おすめめです。
パスタを茹でる際には、泡立ち始めた時にオリーブオイルを垂らすと、泡立ちが抑えられます。
ふきこぼれ防止器を使う


使い方は、ふきこぼれ防止器と呼ばれるステンレスの小さなプレートを、鍋底に入れておくだけです。


鍋底に入れるとこの小さなプレートがカタカタとなり始めます。
プレートが揺れることにより発生する泡が、デンプンなどでできた膜を壊していくため、ふきこぼれを防ぐことができます。


火力を調整する


面倒な方法ですが、煮込み中ガスコンロから離れず、ずっと様子を見ていることでもふきこぼれを防止することが出来ます。
ふきこぼれそうになれば、火加減を自分で調整しながら加熱していくことにより、ふきこぼれを防ぐことができます。



面倒な上に、コンロの前から離れることができません。
オート調理が出来るコンロを使う


特定のガスコンロにはふきこぼれを防止することが可能な煮込みモードが搭載されているモデルがあります。
また、オート調理機能がついているコンロでもふきこぼれの防止が可能です。
オート調理付きコンロを使用すると、ふきこぼれしないように火加減を自動で調整して調理ができます。
もしふきこぼれてしまったら


注意していても、ふきこぼれてしまった場合には、少し冷ましてから拭いてください。
ふきこぼれた場合でも、液体のうちに拭くことが出来れば、こびりついたり、錆び付いたりすることはありません。
面倒だと言ってそのまま放置してしまうと、機器にダメージとなって残ってしまいます。



塩分や油分が多いふきこぼれの場合は専用の洗剤を使って拭き上げることが重要となります。
それでも、こびりついてしまった場合は、一度きちんと清掃しておく必要があります。
コンロ外部の掃除方法


ガスコンロの外部の部品を清掃したり、拭き上げたりします。
- バーナーキャップ
- 立ち消え安全装置
- 点火プラグ
- SIセンサー
バーナーキャップ


ギザギザの隙間からガスを通して火をつけるもの。
隙間に拭きこぼれが詰まってしまうと、ガスが通らず、火がつかなくなります。
つまようじや金ブラシで、優しく汚れや水分を落とします。
立ち消え安全装置


火がついた後、ふきこぼれなどで火が消えた場合にガスを遮断する装置です。
この部分に火があたることによって火を保持することができます。
やすりや金ブラシで、優しく磨くことできれいになります。
点火プラグ


点火の際に火花を飛ばして火をつける装置です。
金属部分を、歯ブラシや固く絞った雑巾などで拭くことできれいになります。
SIセンサー(温度センサー)


調理中の温度を感知し、火力を調整する装置です。温度が上がりすぎると、消火する機能もあります。
金属の飛び出た部分を、固く絞った雑巾ややすりで優しく磨きます。
※力を入れすぎると破損してしまうことがあるので注意して作業してください。
上記の方法で、清掃を行ってみて下さい。
詳しい掃除方法はこちらで解説しています。
それでも汚れやコゲが取れない場合には、プロの掃除屋さんに依頼することも手です。
ふきこぼれて内部に入ったら?


近年のガスコンロは、ふきこぼれた場合にも、内部に入りにくい構造になっています。
そのため、多少のふきこぼれであればバーナー周りを拭くだけで大丈夫です。
相当量のふきこぼれで、火がつかなくなった場合には、ガス会社に連絡して点検・清掃すると良いでしょう。
「ふきこぼれて火がつかない。」と伝えましょう。
さいごに


ガスコンロを長持ちさせることにとって、ふきこぼれは1番の大敵です。日頃から、ふきこぼれしないように気をつけて調理をすることが大切です。
もしふきこぼれてしまった場合にも、早め対処することにより、機器にダメージを与えずにすみます。
料理をした後には、天板を拭き上げることを習慣にしておけば、ガスコンロを長持ちさせることができます。ただし、年数の経ったガスコンロはお手入れしていても劣化してしまいます。
ガスコンロには寿命があり、テーブルコンロで約7年、ビルトインコンロで約10年過ぎたコンロは買い替えも含めて検討すると良いでしょう。
ガスコンロの寿命については、こちらで解説しています。