- ガスコンロの火がつかない原因を知りたい
- 火花が(チチチ)と飛ばない原因が知りたい
- チチチとならない際の対処法を知りたい
ガスコンロの火がつかない。
チチチ(カチカチ)と火花がとばない。
このような経験ありませんか?
僕はガス会社に10年間勤務している現役のガス会社社員です。
ガスコンロがチチチと鳴らない時には、「故障したのでは?」と思ってしまいますが、実はこのケースは故障ではないことが多く、簡単に改善することがあります。
チチチと火花がとばない場合、多くのケースで電池が原因です。
ちなみに、過去の300件を超える訪問データを調べてみたところ、火花がとばない症状の半数以上は電池切れが原因でした。

電池を交換するだけで改善します。
この記事では、ガスコンロがチチチとならずに、火がつかない原因や、対処法についてまとめて解説します。
チチチ(カチカチ)とならずに火がつかない原因と対処法


ガスコンロの火が、チチチとならずに火がつかない原因は、以下のことが考えられます。
電池切れ


ガスコンロの火花が飛ばない理由として、最初に考えられることは電池切れです。
ガスコンロは、電池を使って火花を飛ばすことで、ガス引火させて点火します。
SIセンサーと呼ばれる温度センサーが、電池に依存するため、電池の残量が十分でないとチチチと火花が飛ばなくなります。
対処法(電池を交換する)
電池を交換します。
交換に際して、注意点があるので解説します。
値段が安いマンガン電池を使用すると、1ケ月ほどで電池がきれます。そもそも、マンガン電池では火がつかないこともあります。
少し値段は高いですが、アルカリ電池を使う必要があります。
また、100円ショップなどで売られている電池は、新品でもつかないことがあるとよく聞きます。
気になったので調べてみました。
100円ショップで実際に電池を買って、試してみたところ、問題なく使用できました!


テスターで調べても、単一電池の通常値の1.6ありました。
問題なく使用できます。



ただし、100円ショップでアルカリ電池は、1本100円で、2本買うのに200円必要でした。
ガスコンロの電池の場所は?


電池の場所はご存じですか?
電池の位置は、テーブルコンロの場合、正面から見て左側にあります。ビルトインコンロの場合は前面パネルの裏側にあります。




ほとんどのコンロで、単1電池を使用します。まれに、単2電池や単3電池を使用するコンロもあります。
電池を交換しても火がつかない場合の原因と対処法


電池交換してもなお、火がつかない場合には、以下の原因が考えられます。
点火プラグの汚れ(火花は飛ばない)


点火プラグが汚れている場合にも、チチチと火花は飛びません。
そのため火がつきません。
金属部分を、やすりで優しく磨いてみると改善します。



ひび割れなど発見した場合は、部品の交換が必要になります。
バーナーキャップの汚れ


吹きこぼれなどで、バーナーキャップと言われる部分、炎が出る穴の部分に汚れが詰まってしまうと火がつきません。
経年劣化により、サビで穴がボロボロになると、ガスの通り道がふさがれるため火がつかなくなります。
バーナーキャップを、古くなった歯ブラシなどできれいに掃除することで改善します。
劣化の状況によっては、部品ごと交換することになると思います。
立ち消え安全装置の汚れ


立ち消え安全装置が汚れていても、正常に火がつきません。
立ち消え安全装置は炎がこの部分にあたることにより、加熱されます。
その熱によって電流を発生させ火を保持する装置です。



そのため、この部品が汚れていると、火がついてすぐ消えるといった症状が出ます。
吹きこぼれや、焦げなどの汚れを掃除すると改善されます。(精密部品なので強く磨きすぎないように注意です。)
火がついてすぐ消える場合の対処法についてはこちらで解説しています。
バーナーキャップの浮き
バーナーキャップが正しい位置になく、浮いていたり傾いていると、ガスが逃げてしまうので火がつきません。
正しい向きを確認して、取り付けしてください。
火花が飛ぶ部分に、突起があるので、そこに火花があたるように取り付けます。
掃除後につかなくなるのは、このケースが多いです。




ガスコンロの掃除をした後に、火がつかなくなった場合の対処法については、こちらで解説しています。
ガスの供給が出来ていない


ガスメーターの安全装置でガスの供給がストップしていたり、ガスコックがに閉まっていたりしてガスの供給が出来ていなければ、火はつきません。
ただし、火花が飛ぶ回路は正常なのでチチチという音はしますし、放電はします。
ガスの供給が止まっているのかは、ご自宅にあるガスコンロ以外のガス器具を使うことで、判断できます。
ガス給湯器・ガスファンヒーターを使って使用できればガスの供給は正常です。
すべてのガス機器が使えない場合は、おそらくガスメーターの安全装置が作動して、ガスの供給が止まっています。



ガスメーターの復帰作業をすることで使えるようになります。
ガスメーターの復帰方法についてはこちらでくわしく解説しています。
機器本体の故障


上記の改善方法を実行してみても改善しない場合は、専門家に修理を依頼しましょう。
供給元のガス会社もしくは、メーカーへ問い合わせしましょう。
メーカーに修理依頼するよりも、ガス会社に依頼することで、費用は安く抑えられます。



なんで?



ガス会社はガスを使ってもらうことで、利益を出しているんだ。
メーカーと違って修理費で稼ぐより、安く修理してでも、ガスを長く使ってもらう方が都合がいいんだよ。
※ガス会社が、自社で修理してくれる場合に限ります。
ガス臭い場合


もし火がつかない状態で、ガス臭い場合には以下のことが考えられます。
- ゴム管のはずれ
- ゴム管の劣化による亀裂
このような場合はガス漏れの疑いがあり、ガス漏れ警報器が鳴るかもしれません。
ガス臭がして、ガス漏れ警報器が鳴っている場合は、電化製品のスイッチも入れてはいけません。
万が一ガスが漏れていると、スイッチを入れた際に発生する火花に引火してしまいます。
ガスの臭いを感じたら、ガス器具の使用を中止し、換気をしながら、ガス会社に連絡してください。



ただし、ガス器具・ガスメーターに安全装置が搭載されているため、ガスが漏れても、すぐ停止するようになっています。
取り替え工事について


もしそれでも症状が改善しない場合や、取り替え目安を超える年数のものをお使いの場合は、交換も検討しましょう!
本体取り替えの目安は、置き型のテーブルコンロは約7年、埋め込み型のビルトインコンロは約10年になります。
ガスコンロの寿命についてはこちらで解説しています。