- エコジョーズってなに?
- エコジョーズの特徴とは?
- エコジョーズのメリットやデメリットを知りたい方
僕はガス会社に10年以上勤務する現役のガス会社社員です。
エコジョーズは高性能なガス給湯器で、燃費の良さから光熱費をグッと抑えることができます。
そんなエコジョーズですが、まれに失敗したと言われる方がおられます。
では、エコジョーズを取りつけて失敗した方と言うのはどのような方でしょうか?
エコジョーズには、メリットやデメリットがあり、家族の人数が少なく、あまりガスを使わない方には元がとれないことがあります。
この記事ではエコジョーズについてと、エコジョーズを取り付けるにあたってメリットやデメリットを解説します。
エコジョーズとは?

エコジョーズとは、熱効率の良い給湯器のことで、従来型の給湯器と比べて少ないガス消費で使えるため経済的です。
近年では、主流となり、ガス屋としても余程の理由がない限りは、エコジョーズでの取り替えを勧めています。

賃貸などでは、まだ従来型の給湯器を、使うところもあります。
一般家庭で良く使用されているものが20号オートのエコジョーズ給湯器です。


エコジョーズの特徴


エコジョーズ給湯器には以下の特徴があります。
熱効率が良い
熱効率が高く、少ない量のガスで従来型の給湯器と同じ量のお湯が沸かせます。
従来型の給湯器の熱効率は80%であるのに対し、エコジョーズの熱効率は90%以上と高い熱効率です。
この高い熱効率により、光熱費を抑えることができます。



ガスの消費量・CO2の排出を減らすことが可能です。
排気熱を再利用できる
一般的な従来型の給湯器との違いは、従来型の給湯器の場合、お湯を沸かした際に出来る熱は、放出して捨てられていました。
エコジョーズの給湯器では、お湯を沸かした際に出る排気熱を再利用して、お湯を沸かすことが出来るように改良されています。
エコジョーズのメリット


エコジョーズにはこのようなメリットが考えられます。
光熱費の節約
従来型の給湯器と比べ、エコジョーズはガスの消費量が抑えられるため、ガス料金が、約15%も抑えられます。
毎月のガス料金が5,000円だとすると、4,250円に、10,000円だと8,500円になる計算です。
ガスを使う量が多い家庭ほどお得になります。
コンパクト設計
ガス給湯器全般に言えることですが、コンパクトな作りになっています。
エコキュートや灯油ボイラーと比べると省スペースで設置できます。







場所を取る灯油タンクやヒートポンプが必要ありません。
お湯切れの心配がない
エコキュートと違い、エコジョーズは水道から流れる水をそのまま加熱して出湯するため、お湯切れの心配がありません。



お湯を貯めて使うエコキュートとの違いです。
エコジョーズのデメリット


優れた性能のエコジョーズですが、以下のようなデメリットもあります。
本体価格の高さ
エコジョーズは、従来型の給湯器と比べて本体価格が高額になります。
商品による所はありますが、従来型の給湯器と比べて2~5万程高くなります。
ただし、月々のガス消費量が減るため約3~5年ほどで元が取れる計算です。


設置場所の制約
潜熱の回収が必要になるので、ドレン配管ができないような場所には、お勧めできません。
あまどいや、排水できる場所が遠い場合、加工に多く費用がかかることもあります。



ただ、取り付け業者が考えてくれるので、あまり気にする必要はありません。
ガスをあまり使わない方は損をすることもある
エコジョーズの節約シュミレーションは、ガスを多く使う家庭ほど、節約効果が期待できます。
逆にあまりガスを使わない家庭では、あまり節約効果を期待できません。
ゆえに、本体価格の差額をランニングコストでカバーできずに損をするケースがあります。
エコジョーズ(ガス給湯器)の選び方


エコジョーズを選ぶ際はこのような点を考慮して選ぶ必要があります。
費用の確認
エコジョーズ(ガス給湯器)を選ぶ際には、取り替えにかかる費用について確認する必要があります。
家庭用で使用する給湯器は16号~24号であり、
16<20<24の順で本体価格が高くなります。
工事費用についてはどのサイズでもほとんど変わりません。
取り替え工事費は3万円~になると思います。
工事費について詳しくはこちらの記事で解説しています。
必要なサイズの確認
エコジョーズ(ガス給湯器)は、ご家庭により、使用サイズが異なります。
1人家庭では16号給湯器、2人家庭では20号給湯器、3人以上家庭では24号給湯器が目安です。
号数を落とすと値段も下がるため、安く抑えようと号数を落とす方がいます。使い勝手が変わり、後で変更ができないのでおすすめできません。
16号で1ヶ所、20号で2ヶ所、24号で3ヶ所の蛇口を使っても水圧が下がらない目安になります。



使う量が給湯器の能力を超えると、水圧が弱くなったり、ぬるくなったりして、不便です。
メーカーごとの比較
メーカーごとの性能の違いはほとんどありません。
リモコンのデザイン等に違いがあります。








パロマのBRIGHTシリーズは、簡単な登録をすると、通常2年のメーカー保証が5年になる特徴があります。
細かいことを言えば、メーカーごとに機能等、若干の違いがあります。
メーカーごとの違いについては、こちらの記事で解説しています。
メンテナンスとお湯が出ない場合の対応


エコジョーズ(ガス給湯器)のメンテナンスとお湯が出ない場合の対応は以下の通りです。
メンテナンスするポイント
メンテナンスするポイントは、自身で出来ることとして、排気口や循環アダプターを清掃すること、凍結予防をすることです。
給湯器を長持ちさせるメンテナンス法はこちらから
その他の箇所や自身で出来ない部分は、専門の業者に点検を依頼すると良いでしょう。
専門家による点検
エコジョーズ(ガス給湯器)は2つの方法で点検を受けることができます。
- ガス会社に無償点検を依頼する方法
- メーカーに有償点検を依頼する方法
ガス会社の無償点検
給湯器に気になる点がある場合、お使いのガス会社に連絡して、点検をしてもらうことができます。
メーカーと違い費用がかからないですが、外観などのチェックが主で、内部まで詳しく点検することはしません。



悪い部品が見つかれば、交換・修理するぐらいです。
メーカーの有償点検
メーカーに所有者登録(給湯器の設置場所の登録)をしていると、約10年後に有償点検のお知らせがハガキで届きます。
ガス給湯器の点検は義務ではないので、点検を受けるかどうかは自身で選ぶことができます。
※石油給湯器をお使いの場合は必ず受ける必要があります。
点検費用はどのメーカーも約1万円です。費用は点検のみの金額なのでもし仮に悪い部品があれば、追加で費用がかかります。



ただし、有償点検を受ける方はほとんどいません。
有償点検のタイミングは、使い始めから10年程経過しているので、有償点検するよりも買い替えを検討する方が多いです。
故障時(お湯が出ない場合)の対応方法
故障時には以下の方法を試すと良いです。
リモコンの電源を切って入れ直す
お湯がでない場合には、リモコンの電源を切って再度入れ直すことにより、リセットすることができます。
ガス供給を確認する
ガスの供給ができていない場合にも、お湯が出ません。お湯が出ない場合に、まずはガスの供給が出来ているかを確認します。
特にガスコンロをつけっぱなしや、お湯を出しっぱなしにしているとガスメーターでガスが止まっていることがあります。
ガスメーターを確認して、復帰作業をする必要があります。
ガスメーターの復帰作業についてはこちらで解説しています。
さいごに


エコジョーズは高い熱効率により、光熱費を従来型の給湯器と比べて10%程抑えることができます。
さらにガスの使用量が多い家庭ではさらに光熱費の差がつきます。本体価格で2~5万高額なエコジョーズですが光熱費の差ですぐに元が取れます。
エコジョーズを使用しない手はありません。
失敗したと思われる方は、ガスの使用量が少なく、ランニングコストの差額が少ない方でしょう。確かに、その点は注意が必要です。
ガスの使用量が少ない家庭では、エコジョーズのメリットはあまり感じられません。