- ガスコンロの火がつかない
- 片側だけつかない原因を知りたい
- 片側だけつかない場合の対処法を知りたい
僕はガス会社に勤務して10年になる現役ガス会社社員です。
ガスコンロの火が2口、3口あるうちの1つだけつかずに困った経験はありませんか?
実は、この場合、自身で出来ることを少し試してみるだけで、改善することがあるんです。

難しい作業は何もありません。
では、片方だけつかない場合に、具体的にどう対処すれば良いのでしょうか?
片方だけつかない場合の原因は、点火部の汚れ・バーナーヘッドが浮きまたは汚れであることがほとんどです。
これらの原因の場合は、点火部やバーナーヘッドを掃除することで改善することが出来ます。
その他の原因としては、電池の残量不足ということも考えられます。
この記事ではガスコンロが、片方だけつかない場合の原因や対処法について解説します。
この症状の場合は点検を


こんな症状の時には使用を中止し、供給元のガス会社に連絡して、点検を受けてください。
- ガス臭い
- ガス漏れ警報器が鳴る
- 異音がする



もし、お使いのガス会社がわからない場合は、毎月の検針票や請求書を確認してください。
プロパンガスをお使いの場合には、ガスメーターを確認すると、ガス会社が記載してあります。


会社名と電話番号が記載されたシールを、この箇所に貼っています。
都市ガスの場合は、こちらのホームページで住所から検索することができます。
ガス臭い


何度か点火をしようとしても火がつかない場合で、ガスの臭いがする場合には、ガス漏れの危険があります。
万が一の可能性もあるため、注意が必要です。
ガス会社へ連絡して点検を受けましょう。
ガスは元は臭いがしません。ガス漏れした場合に、危険を察知できるように、わざと臭いをつけています。
ボンベ内のガスの残量が少なくなると、ボンベ内には臭いのみとなり、燃焼器を通じて、あがってくることにより、ガス臭がします。



検査をして問題ない場合は、臭いは気にしなくて大丈夫です。
ガス漏れ警報器が鳴る


火がつかない状態で、ガス漏れ警報器がなっている場合にもガス漏れの危険があります。
ガス漏れ警報器は、殺虫剤のガスやヘアスプレーのガスにも反応します。
原因が把握できれば、換気をして電源を挿し直すことにより、音は止まります。
※ただし、原因がはっきりしている場合にのみ、行ってください。
ガス漏れ警報器が鳴った状況での対処
- ガスコンロの使用を中止する
- ガス栓を閉める
- 換気をする(※換気扇は回さない)
- ガス会社に連絡する
このような状況になった場合、コンロの使用をやめ、ガス栓を閉めた後で、部屋の換気をしながらガス会社に連絡してください。
注意:換気をする際に換気扇を使わない。
もしガス漏れしていると、換気扇のスイッチつけたときに発生する火花に、ガスが引火してしまうことがあるため危険です。
ガス漏れ警報器が鳴った場合の対処法についてはこちらで解説しています。
異音がする


ガスコンロが故障する場合には、異常な音がすることがあります。
使用していて、いつもより点火の音が大きくなったなど、気になる音がする場合も、ガス会社に点検してもらうことをおすすめします。



ボッ!って大きな音が鳴り始めたら気をつけて。
片方だけつかない原因と対処法


上記のような危険な症状はなく、安全面が確保された場合には、自分でできることを確認します。
簡単にできることばかりなので、ぜひチェックしてみて下さい。
電池の残量不足


片側のみ火がつかない場合には、電池の残量不足の可能性があります。
ガスコンロは、SIセンサーと呼ばれる部品に電池を使っていて、電池残量が少なくなると、電池の消耗が大きい箇所から火がつかなくなります。


片側がSIセンサー付き、もう片方にはSIセンサーがないコンロで、センサーが付いている側がつかない時には、間違いなく電池残量が不足しています。
電池残量が不足してくると、
3口のコンロで強火力バーナー(大)→標準バーナー(中)→小バーナー
2口のコンロで強火力バーナー(大)→標準バーナー(中)の順で火がつかなくなります。
バーナーキャップの浮き


バーナーキャップが浮いていると、火がつきません。
バーナーキャップにはガスの通り道があり、浮いていることにより、ガスが抜けてしまうので火がつきません。


掃除などで取り外した場合は、きちんと収まる位置に収めてください。



これは本当に多い。
よーく見ても、浮いているかどうかはわかりづらいからね
汚れを掃除で改善


片方のみ火がつく場合は、もう片方のバーナーにはガスが供給できているため、故障の可能性は低いです。
部品を掃除することにより改善されます。
- バーナーキャップ(汚れ・つまり)
- 点火部(汚れ・湿気)
- SIセンサー(汚れ・湿気)
バーナーキャップの汚れ・つまり


バーナーキャップが汚れて、つまっていると火がつきません。
バーナーキャップが浮きが原因でも、点火しませんが、汚れやつまりが原因でもガスの通り道をふさぐので、火がつきません。
ガスの通り道である隙間を、ブラシで掃除することにより改善します。
点火部の汚れ


点火部が汚れていても火がつきません。
ガスコンロは、正しい位置に火花が飛ぶことにより火をつけます。
点火部周辺が汚れていると、その汚れに火花が飛んでしまうので火がつきません。
火がつかない場合には、目で見て汚れを確認して、きれいに掃除しましょう。
アルミホイルには注意が必要


汚れないように、アルミホイルをバーナーまわりに引いていたり、アルミの受け皿を使う際は注意が必要です。
アルミ部分に火花が飛んでしまい、正しい位置での点火が出来ないことがあります。



火花の飛んでいる箇所を確認し、不自然な位置に火花が飛んでいる場合は、アルミホイルは取り外して使用しましょう。
点火部の湿気


点火部が湿気ていたり、水滴がついている場合も火はつきません。
ふきこぼれなどで点火部が湿った場合は、バーナーヘッドも外してすぐに拭き取りましょう。
もし、天板の下に水分が入った場合には、自分での対処は難しいです。



多少は水分が入っても、問題ない構造になっていますが、気になる場合はガス会社に連絡してみてください。
専門業者であれば、簡単に分解して清掃することができます。
SIセンサーの汚れや湿気


SIセンサーが汚れたり湿っていても、火がつかないことがあります。
SIセンサーは、鍋底の水滴が付きやすい場所なので、鍋の水分を丁寧に拭き取ってから取り付けするようにしてください。
吹きこぼれ等で汚れていても、火がつかなくなります。
写真のコンロはSIセンサーが黒く焦げ付いていたことにより、火がつきませんでした。
※清掃することにより、問題なく使用できるようになりました。
さいごに


以上のことを試しても症状が改善されない場合には、本体の故障が考えられます。
使用年数や、劣化の度合いを考えて、買い替えも視野に検討しましょう。
ガスコンロの寿命はテーブルコンロで5~7年、ビルトインコンロで約10年になります。
目安の年数を超えている場合は、故障の可能性も高くなります。まずは、お使いのコンロの年式の確認から始めてみてください。
ガスコンロの寿命についてはこちらで解説しています。