- 給湯器(水道管)が凍ってお湯が出ない
- 給湯器の凍結予防の方法が知りたい
- 水道管が凍結した場合の対処法を教えて
僕はガス会社で10年以上働く現役のガス会社社員です。
冬場に起きる給湯器のトラブルとして、給湯器や配管の凍結があります。
僕は比較的暖かい地域に暮らしていますが、冬場に数回は凍結が予想され、凍結騒ぎが起きます。
そして凍結する箇所が悪いと、配管が破裂し、溶けた後に水漏れしてしまいます。
そうならないために、有効な方法は、気温が0℃以下になる時間帯(夜間)にお湯側の蛇口から水を少し出しておくことです。
他にもこのような対策が考えられます。
- 凍結防止ヒーターを作動させる
- 自動ポンプ運転を作動させる
- 水抜きをする
- ヒーターを巻く
もし、対策を忘れて凍結してしまった場合の対処法は簡単で、配管が溶けるのを待つだけです。
この記事では、ガス給湯器の凍結防止対策や、凍結した場合の対処法について解説します。
給湯器(水道管)の凍結防止対策をする理由は?

給湯器は、蛇口をひねることでスイッチが入り、配管を通ってお湯が出ます。
お湯(水)が出ていない場合には、配管内にお湯(水)が溜まった状態です。
気温が下がり、配管内の水が凍結すると、膨張することにより水の体積が増えます。
凍結により、膨らんだ水が氷になり、給湯器内部や水道管を破裂させてしまうことがあります。
そうならないためには、給湯器さらに水道管の凍結を防止することが大切になるのです。
給湯器(水道管)の凍結防止対策

給湯器本体と配管は、以下の対策を行うことで凍結を防止することが出来ます。
- 凍結防止ヒーターを作動させる
- 自動ポンプ運転を作動させる
- 蛇口から水を流す
- 給湯器内部の水を抜く
- 配管にヒーターを巻く
凍結防止ヒーターを作動させる
給湯器には、外気温が下がると自動的に給湯器内部を保温するヒーターが内蔵されています。
自動で作動するため、電源(コンセント)を入れたままにしておくだけでOKです。
外れて通電していなかった場合は、凍結防止ヒーターが作動しません。

コンセントを挿しておくだけです。
通常、コンセントは挿したままになっていると思うので、特別に何らかの作業する必要はありません。
給湯器の凍結防止ヒーターは何℃で作動する?
給湯器周りの温度が3℃未満になると凍結防止ヒーターが作動します。
配管の凍結防止のため給湯器が自動で燃焼しています。
自動ポンプ運転を作動させる(追い炊き付き給湯器のみ)
追い炊き付きの給湯器では、残り湯を循環金具より5cm以上、上にある状態にしておくことで、自動ポンプ運転が働きます。


自動的にポンプ運転を行うことで、残り湯を循環させ、凍らないようにすることができます。
蛇口から水(お湯側)を流す


給湯器本体もですが、配管を凍らせない方法として、お風呂やキッチンのお湯側蛇口から水を流しておく方法が有効です。
- 給湯器のリモコンをオフにします。(リモコンがない場合はガス栓を閉める。)
- 風呂・洗面所・キッチンのいずれかのお湯側蛇口を開け、水を1分間に400ml程度、約4mmの幅で流します。)50円玉の穴の直径が4㎜



寝る前に流し始めて、朝にかけて流しておきます。





風呂の栓をして、風呂で流す方法が1番経済的です。
サーモスタット水栓をお使いの場合は最高温度(60℃)にしておいて下さい。


お客様から、今夜は凍結する?と聞かれることがよくありますが…判断が難しいんです。



心配であれば、念のため対策しておくと安心です。
天気予報で凍結の心配があると言っている場合は、念のため対策される方が良いと思います。
給湯器内部の水を抜く
給湯器内の水を抜くことで、配管内にスペースができ、凍結を防ぐことが出来ます。
- 水のバルブを閉める
- 水側水抜き栓を外す
- お湯側水抜き栓を外す
- 水を抜く
- 順番に元に戻す




ある程度水が抜けて、出なくなったら水、お湯両方の水抜き栓を閉めて完了です。
給湯器内部の水抜きが必要な場合とは?
給湯器の水抜きは、給湯器を凍結破損させないために有効な方法です。
特に、このようなケースでは凍結を防ぐため、水を抜いておくことが対策の1つです。
- 0℃(-4℃)を下回る寒い日
- 長期間家を留守にする場合(通電していない)
- 風(冷気)が当たる場所
水を抜いておくと、凍ることがありません。



もし、少し配管内の水が多少残っていたとしても、隙間があるので破裂することはありません。
配管にヒーターを巻く
寒冷地でよく行われている対策ですが、水道管にヒーターを巻く方法が有効です。
ヒーターの線を巻くことにより、配管を暖めて凍結を防止することができます。


冬場に0℃以下の気温になることがほとんどない関東以西の地域では、あまり使われることはありません。



上の5つの対策は覚えていた方がいいですね。
凍結してしまった場合の対処法


気をつけていても凍結してしまった場合には、以下の対処法が有効です。
蛇口をひねってお湯も水も出ない場合、凍結している可能性が非常に高いです。
その場合は、気温が上がって溶けるのを待ちましょう。



凍結してしまった場合の一番の対処法は、余計なことをせず待つことです。
どうしても早く溶かしたい場合は、この方法を試してみて下さい。
①水のバルブにドライヤーを当てて溶かす。
②水のバルブにぬるま湯を少しずつかける。
凍結した水道管に熱湯をかけてしまうと、破裂してしまうことがあり、溶けた後に水漏れすることになるので注意が必要です。



簡単なのはドライヤーで溶かす方法です。
溶けてお湯が出るようになった後は、水漏れがないか給湯器・配管をチェックしましょう。
配管のチェック方法
凍結してしまった後、水道管が破損してしまっていることがあります。
簡単にチェックする方法があるので試してみて下さい。
まず初めに蛇口を全て閉めます。その上で水道メーターをチェックします。


漏れを確認するコマがあるため、コマが動いていないかを確認します。


もしコマが動いていれば、どこかで配管などが破れている可能性が高いです。水道業者に修理してもらいましょう。
さいごに


給湯器や配管は凍ると、破裂してしまったり、溶かすことが困難になることがあります。
まずは、凍結しないように、対策を行う事が大切です。 凍結の対策は、この5つです。
- 凍結防止ヒーターを作動させる
- 自動ポンプ運転を作動させる
- 蛇口から水を流す
- 水抜きをする
- ヒーターを巻く
もし凍結してしまった場合は、溶けるのを待つことで対応してください。
もし給湯器が凍結して故障した場合は、使用している年数を見て取り替えを検討します。
ガス給湯器の寿命は約10年で、10年を超えて使用している場合は交換のタイミングであります。

